2012年10月31日 21:05
■自己存在の月14日 (G10/31) KIN156 黄色い宇宙の戦士(by D)
ついに「ジョジョ展」に行って来た。会場にいたのは実質1時間半弱だったと思うが、日時指定予約方式で入場者数を制限していることもあって、どの原画もじっくりと見る事が出来たし、AR技術を駆使したアトラクション的展示も存分に楽しめて、大満足であった。残り4日ある会期中のチケットも既に完売とのことだから、多少詳しく書いてしまっても問題なかろう。ということで、感じたことをつらつらメモしてみたい。
多次元的にパースペクティブな構成や動き、色使いなど、その全てが感動的な原画は、荒木飛呂彦氏の創作エネルギーが今もそこに息づいているようで、本当に素晴しかった。週刊誌への連載という過酷な条件下で描き続けられた作品の一部であるのにも関わらず、時に拡大展示されても全くスキが感じられないのは、普段から「手抜き」を一切していない証拠だろう。
そういう原画をただ並べるだけでも、十分なパワーがあったと思うが、今回の展示は、『ジョジョの奇妙な冒険』という原作タイトルや物語りが持つパワーにひけを取らない、実に挑戦的で充実したものだった。少なくとも私がこれまで体験したあらゆる展示の中では、最も刺激的かつ前衛的であったと言える。それでいて、決して展示側の独りよがりにもなっていないのが見事だった。おそらく、ジョジョファンでなくともかなり楽しめる構成だったのではないだろうか。
壁中に描かれた「ゴゴゴゴ」等の擬音、第1部から第8部までのテーマに合わせたジオラマ、そして最新のAR技術。最初に感動したのは、<床に投影された池の上に立つと、足の位置に合わせて波紋が生じる>というAR。ただの美術展示としてもそれなりに面白いとは思うが、マンガの中に”波紋”の設定があるからこそ意味が出てくる使い方で、「最新技術はこういう文脈で活用してこそ」という良い例だと思えた。
石仮面に囲まれて眠る「柱の男」(実物大)や、第6部の舞台となる監獄を意識した鉄格子などのジオラマも良く出来ていて、この展示企画に関わった人々が皆、心からジョジョを愛しているのが伝わって来る。荒木氏が元々各部ごとにテーマや色を明確にしているからこそ可能という面もあるのだろうが、その要点がきちんと意識され、展示にも活かされているのは、やはりこの仕事に携わった人々が大前提としてジョジョファンであり、この企画に関われることに大いなる喜びを感じているからなのだろう。
それにしても、ipadを活用したARには驚かされた。等身大の承太郎とディオのフィギュアに向けて、カメラ撮影するような感じでipadを向けると、何と実際の映像に被るようにスタンド(スタープラチナ&ザ・ワールド)が画面に登場して、「オラオラオラオラ!」「無駄無駄無駄無駄!」とやり合ってくれるのだ(笑)。しかも立ち位置を変えると、スタンドの向きもちゃんと変わるから恐れ入る。
杜王町を俯瞰できるジオラマでもipadは活躍する。目印(例えばぶどうヶ丘高校)にipadを向けると、ジオラマを映し出していた画面に、突然、その場所にまつわる原作マンガの場面が展開されるのだ。天井からはしっかり弓と矢もぶら下げられていたり、細部まで演出が凝っている。そして、最後に遊べるのが「ジョジョの奇妙なスタンド体験」のコーナー。マンガのひとコマである背景に、スタンドと効果音が無作為に組み合わされて壁に投影されるのだが、カメラの前に立つと、そこに自分も映り込むのだ。
殆ど人が並んでいなかったので、「1週間 google+に公開になりますがいいですか?」との係員の問いに、「もちろん」と即答して撮影に。不惑を超えたオッサンが「バカだなー」と思いながらも、思わず真面目にポーズをとってしまうのは、連載開始時からのファンである証し。ちなみに我が家のリサリサもチャレンジしたが、ポーズが決まっていないということで、ここへの掲載は却下となった。
今や日本のマンガは、それだけで世界の前衛アートと言えるかもしれないが、その中でも確実に歴史に残るであろう荒木氏の作品だからこその、前衛的で奇妙な展示がそこにはあった。この企画を形にして下さった全ての関係者に感謝したい。この展示自体がアートの世界において記念碑的な意味を持つことになると私には思えたし、それをリアルタイムで体験できたことは、私の人生の宝である。
私ほどジョジョファンではないLも、今回の展示には相当感動した模様。色彩や空間のプロとして仕事をして来た彼女から見ても、荒木先生の表現手法には学ぶところが多々あったようだ。もちろん、実家から取り寄せたコミックス(1〜12巻)や、自ら進んで購入した第4部『ダイヤモンドは砕けない』の電子書籍、他『JOJOmenon 』や『美術手帳』等で予習を怠らなかったこと、それに荒木先生がプリンスファンであると知ったことも影響したとは思うが、純粋にアートして賞賛していた。
そのくらいでないと、ルーブルでの展示や『GUCCI』とのコラボなども有り得ないだろうし、よしもとばななだって『バオー来訪者』を読んでファンレターを書いたり、ジョジョ全巻を完備する程のファンには成らなかっただろう。私は、そういうマンガを連載第1回目の瞬間に見極められていたことを誇りに思う。もちろん、こんなに続くとは思っていなかったが、最初に「これはスゴい!」と見切った感性は、その後もモノを見分ける時に、大いに活用させてもらっている。
当然『13の月の暦』もそれと同じ感覚で見つけたものだ。ジョジョ展に行ったのは、10連続GAPが完了する満月のKIN155だったが、ハーモニック・コンバージェンスと同じ1987年に連載を始められ、2012年に52才のカレンダーラウンドを迎えられた荒木飛呂彦氏(KIN10)は、間違いなくこの暦の時間とシンクロしている。しかも、ジョジョ展の会場は六本木ヒルズの52階で、私が訪れたのはこの暦での「4月13日」(4×13=52)だ!そして、この記事を一度編集し終えて気付いたが、この記事はこのブログの600番目の記事である。
そもそも、この暦を知ったきっかけは『時空のサーファー』という本だったが、主人公はホゼ(jose)とそのハイアーセルフであるジョー(joe)おじさんだから、こちらもJOJOなのだ!そして、そのホゼが世に知られるきっかけとなった本が、1987年に原著が発刊された『マヤン・ファクター』である。かように、ジョジョと『13の月の暦』の繋がりは深く、奇妙なのである。
ついに「ジョジョ展」に行って来た。会場にいたのは実質1時間半弱だったと思うが、日時指定予約方式で入場者数を制限していることもあって、どの原画もじっくりと見る事が出来たし、AR技術を駆使したアトラクション的展示も存分に楽しめて、大満足であった。残り4日ある会期中のチケットも既に完売とのことだから、多少詳しく書いてしまっても問題なかろう。ということで、感じたことをつらつらメモしてみたい。
多次元的にパースペクティブな構成や動き、色使いなど、その全てが感動的な原画は、荒木飛呂彦氏の創作エネルギーが今もそこに息づいているようで、本当に素晴しかった。週刊誌への連載という過酷な条件下で描き続けられた作品の一部であるのにも関わらず、時に拡大展示されても全くスキが感じられないのは、普段から「手抜き」を一切していない証拠だろう。
そういう原画をただ並べるだけでも、十分なパワーがあったと思うが、今回の展示は、『ジョジョの奇妙な冒険』という原作タイトルや物語りが持つパワーにひけを取らない、実に挑戦的で充実したものだった。少なくとも私がこれまで体験したあらゆる展示の中では、最も刺激的かつ前衛的であったと言える。それでいて、決して展示側の独りよがりにもなっていないのが見事だった。おそらく、ジョジョファンでなくともかなり楽しめる構成だったのではないだろうか。
壁中に描かれた「ゴゴゴゴ」等の擬音、第1部から第8部までのテーマに合わせたジオラマ、そして最新のAR技術。最初に感動したのは、<床に投影された池の上に立つと、足の位置に合わせて波紋が生じる>というAR。ただの美術展示としてもそれなりに面白いとは思うが、マンガの中に”波紋”の設定があるからこそ意味が出てくる使い方で、「最新技術はこういう文脈で活用してこそ」という良い例だと思えた。
石仮面に囲まれて眠る「柱の男」(実物大)や、第6部の舞台となる監獄を意識した鉄格子などのジオラマも良く出来ていて、この展示企画に関わった人々が皆、心からジョジョを愛しているのが伝わって来る。荒木氏が元々各部ごとにテーマや色を明確にしているからこそ可能という面もあるのだろうが、その要点がきちんと意識され、展示にも活かされているのは、やはりこの仕事に携わった人々が大前提としてジョジョファンであり、この企画に関われることに大いなる喜びを感じているからなのだろう。
それにしても、ipadを活用したARには驚かされた。等身大の承太郎とディオのフィギュアに向けて、カメラ撮影するような感じでipadを向けると、何と実際の映像に被るようにスタンド(スタープラチナ&ザ・ワールド)が画面に登場して、「オラオラオラオラ!」「無駄無駄無駄無駄!」とやり合ってくれるのだ(笑)。しかも立ち位置を変えると、スタンドの向きもちゃんと変わるから恐れ入る。
杜王町を俯瞰できるジオラマでもipadは活躍する。目印(例えばぶどうヶ丘高校)にipadを向けると、ジオラマを映し出していた画面に、突然、その場所にまつわる原作マンガの場面が展開されるのだ。天井からはしっかり弓と矢もぶら下げられていたり、細部まで演出が凝っている。そして、最後に遊べるのが「ジョジョの奇妙なスタンド体験」のコーナー。マンガのひとコマである背景に、スタンドと効果音が無作為に組み合わされて壁に投影されるのだが、カメラの前に立つと、そこに自分も映り込むのだ。
殆ど人が並んでいなかったので、「1週間 google+に公開になりますがいいですか?」との係員の問いに、「もちろん」と即答して撮影に。不惑を超えたオッサンが「バカだなー」と思いながらも、思わず真面目にポーズをとってしまうのは、連載開始時からのファンである証し。ちなみに我が家のリサリサもチャレンジしたが、ポーズが決まっていないということで、ここへの掲載は却下となった。

今や日本のマンガは、それだけで世界の前衛アートと言えるかもしれないが、その中でも確実に歴史に残るであろう荒木氏の作品だからこその、前衛的で奇妙な展示がそこにはあった。この企画を形にして下さった全ての関係者に感謝したい。この展示自体がアートの世界において記念碑的な意味を持つことになると私には思えたし、それをリアルタイムで体験できたことは、私の人生の宝である。
私ほどジョジョファンではないLも、今回の展示には相当感動した模様。色彩や空間のプロとして仕事をして来た彼女から見ても、荒木先生の表現手法には学ぶところが多々あったようだ。もちろん、実家から取り寄せたコミックス(1〜12巻)や、自ら進んで購入した第4部『ダイヤモンドは砕けない』の電子書籍、他『JOJOmenon 』や『美術手帳』等で予習を怠らなかったこと、それに荒木先生がプリンスファンであると知ったことも影響したとは思うが、純粋にアートして賞賛していた。
そのくらいでないと、ルーブルでの展示や『GUCCI』とのコラボなども有り得ないだろうし、よしもとばななだって『バオー来訪者』を読んでファンレターを書いたり、ジョジョ全巻を完備する程のファンには成らなかっただろう。私は、そういうマンガを連載第1回目の瞬間に見極められていたことを誇りに思う。もちろん、こんなに続くとは思っていなかったが、最初に「これはスゴい!」と見切った感性は、その後もモノを見分ける時に、大いに活用させてもらっている。
当然『13の月の暦』もそれと同じ感覚で見つけたものだ。ジョジョ展に行ったのは、10連続GAPが完了する満月のKIN155だったが、ハーモニック・コンバージェンスと同じ1987年に連載を始められ、2012年に52才のカレンダーラウンドを迎えられた荒木飛呂彦氏(KIN10)は、間違いなくこの暦の時間とシンクロしている。しかも、ジョジョ展の会場は六本木ヒルズの52階で、私が訪れたのはこの暦での「4月13日」(4×13=52)だ!そして、この記事を一度編集し終えて気付いたが、この記事はこのブログの600番目の記事である。
そもそも、この暦を知ったきっかけは『時空のサーファー』という本だったが、主人公はホゼ(jose)とそのハイアーセルフであるジョー(joe)おじさんだから、こちらもJOJOなのだ!そして、そのホゼが世に知られるきっかけとなった本が、1987年に原著が発刊された『マヤン・ファクター』である。かように、ジョジョと『13の月の暦』の繋がりは深く、奇妙なのである。
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