2008年05月27日 01:25
早く書きたいと思いながら、あっという間に一週間以上が経過してしまった。KIN88(G5/16)、家に届いていたパタゴニアのカタログを見て、私は衝撃を受けた。季刊発行のこのカタログには、毎度、驚かされてばかりいるが(自然と人が織り成す、あまりにも圧倒的で美しい写真で満たされているので)、今回は、何か別次元のものを見てしまった気がした。そこ(P35 )には、チューブ状に覆い被さる波の中を、実に軽々と、そして完全な調和感と共にボードに乗るあの伝説のサーファー、ジェリー・ロペスの姿があった。
静止画の中にあって尚、まるでその周囲だけ時間が止まっているかのような異次元的な佇まい。口元には微笑みをたたえ、指先は垂直に盛り上がった水の壁を優しく撫でているように見える。とんでもなく激しいエネルギーが渦巻いているはずなのに、心なしか波の方もほころんでいる印象を受ける。翌朝、もう一度、その写真を見て、私は「52才になったらサーフィンを始めよう」と唐突に思い立った。そして、「13の月の暦」での還暦にあたるその年までは、陸を極めようとも(笑)。KIN89のこの日は、ちょうどスペクトルの魔術のカメの日だったので、何かを解き放つのには、もってこいのタイミングだったのだ。
ちなみに、ジェリーの銀河の署名は、「青い銀河の夜」。実はその夜、待ちに待ったキース・ジャレットのコンサートがあったのだが(これについては後でLが書いてくれるそう)、最近は、それに向けて?キースの『The Melody at Night, With You』をかなり聞き込んでいたので、これもちょっとしたシンクロに感じられた。コンサート前に、パタゴニア渋谷店に足を伸ばし、2階のビデオコーナーを見ると、何と、そのジェリーの映像が流れているではないか!朝、写真を目にしながら「動画だとどんな感じなんだろう。見てみたいなー」と口にしていただけに、その驚きと喜びには表現しがたいものがあった。
もちろん、カタログと連動させて映像を流していたのだろうが、私が狂喜したのは、まさに、写真の彼の佇まいを説明してくれているような数々の名言が、そこで語られていたからなのだ。例えば、教えを請いに来た若いサーファーに向かって、「海に入ったらメディテーションをしろということ」「完全なリスペクトで波に向かうこと」「謙虚な姿勢で臨むこと」「流れに自分を委ねること」「このプロセスにエゴを入れ込まないこと」「ただ心を開いてパイプラインのパワーを自分の中に取り込みそれとひとつになるんだ」等と伝え、その若者が大会で優勝した時には、「今日、お前は自分自身をマスターしたはずだ。それこそが真の勝利なんだよ」なんて言うのだから、もうたまらない。
「波と自分がひとつになる」とか「波が笑ってるんだよ」というような表現は、まるで新体道や天真流滝行の体験談みたいだ。Lが試着をしている間、あまりに食い付いて見ていたせいか、店員さんが流されている映像についての説明をしてくれた。全4巻あるジェリーのヨガについてのDVDで、流れているのは、4巻目のロングインタビュー部分だと判明。他の巻は、殆どヨガのポーズだとの事だから、どうやら一番の核心部分(チューブを抜ける動画も見られたし)を、訪れたその場で見る事が出来たようだ。
帰宅後、その『YOGA Gerry Lopez Style VOL.4』 と、もう一本とても気 になった『ライフスタイル・オブ・ジェリー・ロペス』をネットで注文。2日後に届いてから、また食い付くように見たが、彼がサーフィンを通じて到達した世界は、非常にスピリチュアルであると同時に、全ての人間にとって根本的で本質的なものが含まれているように思う。特に、ヨガの方にあるインタビューは、そのエッセンスが凝縮されているので、強くお薦めしたい。ジェリーのお陰で、本気でサーフィンをやってみたいと思うようになったが、時空の波乗りを続けている立場としては、その前にまず「時空のレジェンド・サーファー」と呼ばれる位にはなっておきたいものだ。

