一隅を照らす

2011年03月23日 02:08

太陽の月17日 (G3/23) KIN89 赤いスペクトルの月 (by L)

原発は、日本の電力の3割弱をカバーしているに過ぎない。だから、原発を無くしたら電気が使えなくなる、などという考えは大間違いだ。まずはここを押さえておきたい。

単純に考えて、国民全員が3割節電すれば、今すぐにでも原発は不要だ。もちろん、病院や公共施設等を一律に考える事は出来ないのでこれは極端すぎる話かもしれない。でも、原発は、無くてはならないものではない、とハッキリ言っておく。

正直な所、私は今まで原発について、「そりゃまずい」とは朧げに思ってた。電気のある事が当たり前だと思い、思っているだけで何もして来なかった。気付いていながらとりあえず
日々電気を使い、氣になる問題を棚上げにする、我ながらとても恥ずかしい態度だ。しかし今は、この事を本気で考えたいと思う。

時々、「自分は原発賛成でも反対でもどちらでもない」という方がおられるが、どちらでもない、というのは責任を放棄している逃げの態度か、あるいは保身の為に考える力を断たれている状態だと思う。目を覚まそう。どちらでもない、などは有り得ない。電気を使う生活をしている以上、私たち全員が当事者で加害者だ。

私自身、電気の恩恵をどっぷり受けて生活している。こうして、ブログで皆さんとコミュニケーションが取れるのも電気のおかげ。そもそも、我が家はオール電化で、24時間電気で成り立つ家に住んでいる。ガスも灯油も無い。

しかし、「日本の技術を持ってすれば、原発は地震国でさえ安全だ」という傲慢な思い込みが簡単に打ち砕かれ、人々の懸命な努力があるにせよ壊滅的な事故からの解決方法など全く見いだせなく、将来もずっと放射能の影響を心配し続けなければならないことが証明されてしまった今、福島に限らず、原発に賛成か反対かを問われたら、私はハッキリと反対だ。議論の余地など無い。

さて、電気は必要だが、原子力で発電した電気は使いたくない。ならば、今回の大惨事を、もはや原発に賛成か反対かでは無く、「原発によらない電気を使うにはどんな方法があるのか?」「そのためにどうしたら良いか?」、つまり、今までの態度を心から反省し、脱原発を本気で考えて変えて行くターニングポイントとしてとらえるべきだと思う。

それに、日本は決してエネルギー資源の無い国ではない。チョイスは無いなどという思い込みから自由になろう。例えば、日本近海に大量に存在するメタンハイドレートという天然資源を有効活用することが出来れば、エネルギー資源を外国に頼らなくても良くなる日が来る。何故それをしないのか? 簡単だ。命よりも幸福よりも、経済が優先されていて、それを皆がどこかで良しとして来た(あるいは、少なくとも傍観してきた)からだ。それら全てや、既得権にしがみつく恐れを溶かす必要がある。

それともう一つ。電気の使い方を考える、あるいは変える必要があるだろう。そう、節電だ(もちろん病院施設などは別に考える)。世界各国を旅して思うのは、日本やアメリカほど、湯水の如く電気を大量消費している国は無いし、電気のある事に無頓着で無感謝な国は無いということ。一度でも途上国に行ってみたら良い。みんな、それは大切に電気を使っている。私たちの電気の使い方は、ちょっと恥ずかしいくらいだよ。

それから心の問題。私が子供の頃は、東京でも停電が珍しくはなかった。今の日本では、ちょっとでも停電すると大パニックだけど、決して電気があって当たり前では無い事を知り、停電ごときで狼狽えるな。(ちなみにネパールでは、現在でも一日18時間の計画停電などが行われる。それでも、市民はそれなりにやっているように見えるし、ものすごく不便してはいても、停電が原因で心の萎えている人は見たこと無い。彼らから見たら、私たちの有り様はオーバーリアクションでヘナチョコだと笑われる事だろう。)

東京からでさえ、西へ西へと避難を始めた人たちがいる。でも、地図を見て欲しい。すでに日本中は原発だらけで現在50以上もある。逃げた先に地震が来れば、どこででも同じ事が起こりうるし、放射成分は風に乗る。よって、根本的な解決にはならない。たとえ外国に逃げたとしたって、一つの空気、一つの水、一つの大地だ。時間差はあっても、ひとたび事故が起これば地球に逃げ場は無いし、日本での事故は世界中に迷惑をかける事になるのだ。(いや、事故が起こらなくても、存在しているというだけでゾンビのような性質を持つもの、それが原発だ。)

でも、誤解しないで欲しい。私はこれを、決して脱原発運動に誘う目的で書いているのではない。自分の意志を表明する為にだけ書いている。そして、できることなら、皆さんにもこの事を自分で考えてみて欲しいと思っている。何故なら、これからの全ては、一人一人のチョイスと、ふるまいにかかっているからだ。

私たちは無力ではない。どんなに問題が大きく見えても、一人一人が、それぞれ自分の一隅を照らせば、やがては全ての場所に灯りが灯る。私はそう信じている。

参考までに:原発がどんなものか知って欲しい
(怪文書だとか、嘘っぱちだとか、色々な評判もあるようですが、考える切っ掛けとしてあえてご紹介します。)

田中優×小林武史 緊急会議(1)「今だからこそできる話がある」
http://www.eco-reso.jp/feature/love_checkenergy/20110318_4983.php

田中優×小林武史 緊急会議(2)「新しいエネルギーの未来」
http://www.eco-reso.jp/feature/cat1593/20110319_4986.php


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