時の輪

2012年07月09日 15:42

宇宙の月13日 (G7/9) KIN42 白い電気の風(by L)

7月6日は、ダライ・ラマ法王14世の77歳のお誕生日でした。
法王様のご長寿と、そしてチベットの自由を心からお祈りいたします。

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その夜、私たちは、Dの中学高校の同級生のSさんと、自由が丘でタイ料理をご一緒していた。
Sさんとは、Dはつい先日のクラス会で卒業以来の再会。私はこの日初めてお会いした。
Sさんは、エネルギー医学を実践している医師で、そしてチベット仏教とのご縁も深い。
で、3人の話の流れは、自然とそれぞれのチベットに向かう。

2000年4月14日と15日の2日間、東京ベイNKホールで「智慧と慈悲ー仏教の最も大切な二つの教え」と題したダライ・ラマ法王の講演が行われ、その場にのべ6000人が集った。
私にとって、それはとても印象深い講演だった。

多分Dはその時初めて法王の講演を聴いたんじゃないかな?
私は数回目(親しい友人達も一緒だった)。
そして、Sさんもその場にいらしたそう!
12年前3人とも同じ場所で法王の講演を聴いていたことになる。

Sさんも、この講演のことを鮮やかに覚えていると言う。その会場には法王への質問箱が設けられていて、誰でも質問を書いて投函できる様になっていたのだが、Sさんが思い切って書いた質問(当時悩んでいたこと)が取り上げられ、法王が直接それに応えてくれたことに大感激したそうだ。(採用された質問はそんなに数多くはなかったと思う。)

私は質問を書いてはいないが、絶対に忘れることのできない質疑が一つだけあり、「それはこういう内容の質問で・・・」と話し始めた時、「あっ!それ私の質問!」とSさんが仰るではないか!

法王様の喜寿のお誕生日に、こうして再び集えているだけでも充分ステキなことなのに、私の記憶に唯一刻まれていてる質疑が、Sさんが発したものだったとは!流石法王様のお誕生日!そして魔術の亀!(この日は、宇宙の月の青い宇宙の嵐/KIN39の日。)Dは例によって記憶が無い(笑)。

sw76 ★突然ですがタイデザート。お友達によると、カノムモーケン(手前)とカノムチャン(奥)。

楽しい時間はアッと言う間に過ぎる。気付くと結構な時間になってしまっていた。美味しいタイデザートを平らげて店を後にし、自由が丘の駅で別れる際、Sさんが私の持っていた本に注目した。(その本はずっとバッグに入っていたのだが、改札でバッグからパスモを取り出すのに邪魔になり、バッグから出してそのまま手に持っていた。)

本は、最近出たばかりの「ヒマラヤを越える子供たち」。内容を簡単にSさんに紹介すると、映画のDVDも観てみたいとのこと。DVDは残念なことに絶版中だ。我が家所有のものは、二子玉川のラサチベット祭りが行われた時に持って行ったままになっている。じゃ、次回はラサで会いましょう、ラサでDVDを回収して、そのままお貸しします、と約束した。(帰宅してDが短くその日のハイライトをツイートすると、何故か速攻でラサさんがその呟きをリツイートしていた。くしゃみでも出たのかしら!?)

te76 ★これを瞬間にリツイートするとは、さすが「ラサ」=神の地。

翌朝、Dを大阪に送りだした後、「ヒマラヤを越える子供たち」にじっくり目を通す。この本は映画とは視点が異なり、チベット側から書かれた亡命者たちの話と、ネパール側から書かれた映画監督(本の著者でもある)の両方の話が交互に描かれており、映像とはまた違った奥行きがある。監督は、亡命者達をチベット内から同行撮影するのは困難と判断して諦め(実際一度試みるも中国で逮捕の目にあっている)、撮影をネパール側からスタートさせた。ヒマラヤ山頂のネパール側の国境で亡命者達を待ちうけ、彼らがそこに到着した時点からの壮絶な様子をフィルムに収めたのだ。ヒマラヤの両サイド、チベット側とネパール側から、それぞれが命懸けで、ヒマラヤ山頂での出会いの時を目指した。

本を読んで知ったのは、何と子供たちがヒマラヤを越えたのは2000年4月14日、そして翌15日は初めて迎えた「自由の朝」(←本の表現そのまま)だったということ!ヒマラヤを越えた時、ランゼン!(自由!)って叫んだって。(本には、日付そのものは4月13日以降20日までの間は明記されていないけれど、注意深く前後を読んで行くと、必然的にこの日付になる。)

つまり、私たちがNKホールで法王の講演を聴いていた(そして質疑が行われていた)正にその時、あの子供たちはヒマラヤを越えていた。それだけではない。それから12年経った今年の4月15日、私たちは前出のラサのチベット祭りで、NPOクリカのチベットサポート(在カトマンズのチベット難民の子供達にマナサロワールアカデミーを通じて奨学金を支給している)の話をする為に呼ばれていて、このDVDのことも紹介していたのだ。その時にはまだ、この本が発売されることも知らずにいた。

どう?
ちょっとすごい話じゃない?
 
時は巡る。時は美しい。2002年の秋、グラーツでのカーラ・チャクラの灌頂儀式が全て終わった時、ダライ・ラマ法王は、10,000人の参加者に向かって、「定められた時、定められた場所で、また会いましょう。」とおっしゃって法席を降りられた。私たちがそれに気付くこともあれば、気付かないこともあるだろう。それでも時の輪は、絶えず静かに巡っているのだと思う。そう信じられる。法王様のお誕生日をお祝いしているはずのこちらが、逆にいつもかけがえの無い贈り物を頂いている。

追記:以下は東京ベイNKホールでの講演が収められた本。読みごたえあり!
ダライ・ラマ来日講演集―智慧と慈悲」春秋社
ダライ・ラマ法王14世テンジン・ギャッツォ著/マリア・リンチェン訳)



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