ラストサムライのいる寺

2008年04月07日 01:50

惑星の月4日(G4/7) KIN49  赤い惑星の月 (by D) 
 
4月5日(土)、関西テレビの「ぶったま」という生放送番組の中で、天台宗別格本山・書寫山 圓教寺の僧侶が、非常に勇気ある発言をされた。内容は、下記に添付しておくので、 是非、目を通して頂きたいと思うが、その前に、このお寺にまつわるシンクロについて、少し触れておきたいと思う(一応、シンクロ・ダイアリーなので)。

私がこのお寺について知ったきっかけは、2006年にダライ・ラマ法王が広島を訪問された事と関係している。宮島での法話やイベントに参加した私達は、行事の合間に千畳閣(豊国神社)という場所を訪れ、そこが映画「ラストサムライ」に登場した古刹に違いないと思い込んだ。しかし、後からネットで調べてみると、「ラストサムライ」に使われていたのは、宮島の千畳閣ではなく、姫路の圓教寺だったという事が判明したのである。
 
そして、今回、その圓教寺の僧侶が声を上げたきっかけは、ご本人がもともと個人的にダライ・ラマ法王に敬意を抱いていたという事と、中国政府によって自由を剥奪されている、ラサのチベット仏教僧の命がけの抗議行動が、ニュースで伝えられた事にあった。日本の仏教界も、おそらくチベットで起きている事の実情は知っているはずである。それでも、何の行動も起こさないのは、「仏陀の教えそのものよりも、お金や宗派の安定存続が大切である」と表明しているのに等しい。
 
そういう風潮の中、大きな宗派の、しかもかなり格式のあるお寺に所属している立場でありながら、業界から非難を浴びる(あるいは干される)のを覚悟で、魂の叫びを訴えたこの僧侶の行動には(そしてその訴え方にも)、心を打たれずにはいられなかった。仏教界のラストサムライが、その映画のロケ地であるお寺から立ち上がったのは、決して偶然ではないだろう。そして、ダライ・ラマ法王がそれらを繋ぐ存在になっている事も。

踏み絵のような発想はあまり好きではないが、今後、チベット問題に対してどのような行動を取るかで、その団体や人の真価が、はっきりと目に見える形になってしまうのは、避けられない事だろう。今回の件に関しては、この僧侶が出演したコーナーの担当者である青山繁晴氏や、関西テレビにも大きな拍手を送りたい。特に青山氏は、情報が多面的でバランスが取れているだけでなく、サムライ魂のある素晴らしい人物だと感じられた。私達が注目し、応援したくなるのは、その振る舞いによって勇気を与えてくれる、こうした人々なのだ。

 
以下が、番組内で出された僧侶の声明である。
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今、私達日本の仏教者の真価が問われています。チベットでの、中国の武力行動によって、宗教の自由が失われることに、心から悲しみと、やむにやまれぬ抗議を表明せずにはいられません。私たちは、あくまでも宗教者、仏教者として、僧侶を始めとするチベット人の苦しみを、もはや、黙って見過ごす事が出来ません。チベット仏教の宗教的伝統を、チベット人の自由な意思で護ると言うことが、大切な基本です。
 
皆さんは、日本の全国のお坊さんどうしているのかと、お思いでしょう。日本の各宗派、教団は日中国交回復のあと、中国各地で、ご縁のある寺院の復興に力を注いで来ました。私も中国の寺院の復興に携わりました。しかし、中国の寺院との交流は全て、北京を通さずには出来ません。殆ど自由は無かった。 これからもそうだと、全国の殆どの僧侶は知っています。

そして日本の仏教教団が、ダライラマ法王と交流することを、北京は不快に思うこともよく知られています。あくまでも、宗教の自由の問題こそ重大であると、私は考えています。しかし、チベットの事件以来、3週間以上が過ぎて尚、日本の仏教会に目立った行動は見られません。中国仏教会が大切な友人であるなら、どうして何も言わない、しないで良いのでしょうか。

ダライラマ法王を中心に、仏教国としての歴史を重ねてきたチベットが、今、無くなろうとしています。私たちは、宗教者、仏教者として、草の根から声を挙げていかなければなりません。しかし、私の所属する宗派が、中国の仏教界関係者から抗議を受けて、私はお叱りを受ける可能性が高いでしょう。

このように申し上げるのは、私達と行動を共にしましょう、ということではないのです。それぞれの御住職、檀信徒の皆さんが、これをきっかけに自ら考えていただきたいのです。オリンピックに合わせて、中国の交流のある寺院に参拝予定の僧侶もいらっしゃるでしょう。この情勢の中、中国でどんなお話をされるのでしょう。

もしも、宗教者として毅然とした態度で臨めないならば、私たちはこれから、信者さん、檀家さんに、どのようなことを説いていけるのでしょうか。私たちにとって、これが、宗教者、仏教者であるための最後の機会かも知れません。

書寫山 圓教寺 執事長 大樹玄承 
平成20年4月5日

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▽動画/関西テレビ「ぶったま」より(4/5放映)



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