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フクロウからクジャクへ/NPOクリカ10年の旅

2017年11月21日 18:59

■倍音の月7日 (G11/21) KIN182 白い宇宙の風 (by L)

3日ほど前にネパールから戻りました。

誰かの幸せを祈ることは、とても素敵なことだと思います。
心が喜びで満ちるから。
人間は本来、互いの幸せを祈り合う様にできているのだと思います。

ストゥーパ 

NPOクリカ(時間芸術学校クリカのボランティア活動)では、チベット難民の子供たちの教育支援を行っています。ネパール在住のチベット難民の子供たちに、学校に行くための奨学金を支給しており、そのため毎年現地を訪問しているのです。

私たちの活動は、今から10年前、2007年に始まりました(法人登記はその一年前)。最初に取り掛かったのは、直接自分たちで現地ネパールに行き支援先のリサーチをすることでした。(何故ネパールかの詳細は長くなるので今回省きますが)ネパールには、ヒマラヤを越えて逃げてきたチベット難民たちのコミュニティーがいくつもあります。彼らをめぐる状況は、ダライ・ラマ法王猊下がいらっしゃりチベット亡命政府の置かれているインドよりも、(インドと中国に挟まれた)ネパールの方がさらに複雑と言えるのかもしれません。

私たちのNPOはとても小さいものです。理事は全員本業を持ち、運営は100%ボテンティア。大きな宣伝活動をするかわりに、自分たちが直接見聞きしたことをお伝えしています。そして縁のある方々から寄せられた資金を最大限に活かす。それを貫いてきました。私たちが大切にしているのは、誠実さ・丁寧さ、そして縁(シンクロ)の力です。

10年前、チベット人の友人の案内で、約2週間の日程で、ネパールの数カ所に散らばるチベット人キャンプ、チベット関連施設を20箇所ほど訪問しました。その際、可能な限り現場の責任者の方に会い話を聞かせていただきました。どこもみな、気が遠くなるほどの援助を必要としていましたが、最終的にNPOクリカの支援先を、カトマンズ、ボーダーの
マナサロワール・アカデミー」に決めるのに、全く迷いはありませんでした。

理由は二つ。一つ目は学校の存在の素晴らしさ。

このチベット人学校の生徒たちは、ぶっちぎりに輝いていたのです!創設者の女性校長たちに大きな情熱と夢があり、それが子供達を照らしているのだとすぐにわかりました。何よりも子供達一人一人がとても大切にされていて、この学校はいわば大きな家族のようでした。校長自身もTCV出身でありカリキュラムもTCV直結。チベット仏教を土台に置き、伝統文化・芸能を重んじているのです。(しかし政府系の学校ではないため行政からの援助は受けていません。)

もう一つは、もちろんシンクロです。

マナサロワール・アカデミーを訪れる日の早朝、それまで滞在していたポカラの宿のバルコニーにフクロウが来て、私とバチッと目があい、朝食をとりながら旅の仲間たちにそれを思い切り吹聴しました(その後、午後からのリサーチに集中したため忘れていました)。午後カトマンズに飛び、学校訪問。授業見学と校長インタビューを終えて挨拶を済ませ、帰り際に校舎を振り返ると、壁にババーーーン!とフクロウの絵!「見て見てっ!」と教えてくれたのは旅の仲間でした(吹聴しておくものですね)。

この10年の間、チベットを巡る情勢は残念ながら良くなったと言えません。中国共産党の圧政に抗議するチベット人の焼身者はすでに150名(!)を超えました。2008年の北京オリンピック開催への抗議デモの際には、この学校の女性の先生達も参加しネパール警察からボコボコに殴られたといいます。そして日本もネパールも、かつて経験したことのないような大きな災害に見舞われました。しかしどんな状況の中にあっても、その度、互いに励まし合い、乗り越えて来られたことは幸いといえるでしょう。

一般財団法人天真会の道友、木村悟郎さん(10年前からネパール在住/NGOマヤネットワーク運営)も、私たちの友人として毎年の学校訪問に同行し親交を深め、今では週に一度、子供達に天真体道(と少し日本語)の号令をかけてくださっています。よってこの学校の子供達は天真五相などの極意を知り、私たちと体技を通じた共通言語を持っています。とても嬉しいことです。

私たちはこれからも、子供たちの成長を見に、現場の方々を励ましに、そして私たちの顔を見せに現地に行きます。短い滞在時間ではあっても「自分たちを応援する人がいる」と実感してもらうために、わざわざ行くことが大事だと考えているのです。支援していた子供達の何人かは既にこの学校を巣立ち、私たちの訪問時にはサプライズで会いに来てくれます。フクロウに出会ってから10年。まさに時間の贈り物です。ちなみに校舎の壁にフクロウの絵があったのはあの時一度きりでした。

ところで13の月の暦では、フクロウは自己存在の月のトーテムで、「私の奉仕はどのような形になるのか?(What is the form my service will take?)」と問いかけます。この10年、主に自己存在の月を選んでネパールを訪問してきました。今年は縁あって、思いがけずバクタブル(リトルブッダの撮影地で、ネワール彫刻最高傑作と称される「孔雀窓」がある世界遺産の街)を10年ぶりに訪れることができたのですが、今回ネパールでの全ての予定を終えて帰国の途につく際、カトマンズ・トリブバン空港の壁にそのレプリカを発見して驚きました!そうです、クジャクに見送られての出国です。クジャクは倍音の月のトーテムで、「自分自身に最高の権限を与えるには?(How can I best empower myself?)」と私たちに呼びかけます。

私たちの活動も10年を経て、「形を定義する」フクロウから「輝きを授ける」クジャクへと移行の時期が来たのかもしれません。支援活動というと一方的に助けることのように思われるかもしれませんが、実は全く逆だと肌で感じています。もちろん、私たちは専門家ではありませんから、運営にあたって素人ゆえの苦労や小さな煩わしいことは普通にあります。時間も作りださねばなりません。それでも、私たちの方がこの活動によって支えられ、たくさんの喜びを与えられているのは確かです。「人は助けるものに助けられ、大切にするものから大切にされ、愛するものから愛される」という我々の師、青木宏之先生の言葉の通りです。今までは、ひたすら夢中で行ってきた活動ですが、これからは、私たちの経験をより広く分かち合って行けたらという希望をもっています。

さしあたり、来年2018年4月から、マナサロワール・アカデミーのおチビさんの教育支援枠をあと3名増やそうと決めました。その子供達にも今年会いましたが、みんな目の中に入れても痛くないほど可愛い子たちばかり。支援にご関心をおもち方はお問い合わせいただけたら幸いです。いつも私たちの活動を支えてくださる方々、ご関心を持ってくださる方々に、心からの感謝を捧げます。合掌。

NPOクリカfacebookに、今年2017年の訪問記録と写真が UPされていますので、よろしければ是非合わせてご覧ください。

プレゼントMAおチビさん達チベタンダンス
天真体道D握手握手レッスン 

卒業生達と全員集合ヒマラヤ

★追記1:マナサロワール・アカデミーを卒業した一人、ティンレーが「この学校の何もかもが恋しい。できることなら戻りたいくらい!」と話してくれた。卒業してから、自分は本当に素晴らしい学校に通っていたんだなと気づいたそうだ。

★追記2:

10年前、マナサロワール・アカデミーを最初に訪れた時には、チベット系住民たちの住む集合住宅ビルの中の数室を借りて、授業が行われていました。ところが数年前に突然、ビルのオーナーが建物を売りに出すと言ってきたのです。買い取らなければ学校ごと追い出されることになるという、学校存続自体の危機もありましたが、世界中の複数の支援団体からの資金協力もあり、奇跡的にマナサロワール・アカデミーが建物を買い取ることができました。結果として、建物全体の使用が可能となり教室のキャパが増え、今では生徒総数が当時の二倍以上。500名近い子供達が学べる環境が整っています。その際にお心を寄せて下さった皆様には、この場を借りて深く感謝申し上げます。

また、2年前のネパール大地震の際には、カトマンズでは山間部ほど被害が大きくはなかったものの、私たちの支援する子供達の一部も家屋崩壊などの被害にあい、野宿やテント暮らしを余儀なくされたり、校舎の一部も修理が必要な状況となりました。その際にも、呼びかけに応えてくださり、少なからぬご寄付を寄せて下さった皆様お一人お一人に、心から感謝申し上げます。その際は、カトマンズ在住の天真体道の私たちの道友、木村悟郎さんが、私たちのかわりに即、動いてくださり、物心両面でマナサロワールの子供達、教員の方々を支えて下さいました。悟郎さん、いつもありがとうございます!

ちなみに、この学校の校舎として使われている建物はロの字型で、真ん中が(吹抜でトップライトの)明るい中庭となっているのですが、この中庭は超マルチスペースであります!私たちを迎えてくれるチベタンダンスや歌の舞台となり、毎日の朝礼も読経も、天真体道や音楽も、ランチや試験も、すべてこの中庭で行われます。中庭に面して校長室とキッチン、3歳児達の教室が回廊型に配置されており、学年があがると教室も2階、3階へと移って行くのですが、それぞれの階の回廊から中庭を眺められる構造になっています。つまりは、誰もが中庭という中心で繋がっている素晴らしい学び舎!まるで水晶の円卓(笑)!

この学校で過ごした子供達は、この【へその緒】的な中庭空間を生涯絶対に忘れることはないのだろうな、といつも思うのです。

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